【財務諸表の基礎知識③(製造原価報告書)】
事業をおこされる方にとって、『財務諸表』の知識は必須といえます。
経営として必要な『財務諸表』の基礎知識についてその基本構造をご説明いたしております。
そのうち、こちらの頁では『製造原価報告書』(一般に「C/R」とよばれます。建設業では『完成工事原価報告書』にあたります。)を主テーマに取り上げております。
(一般的な株式会社の『財務諸表』の場合の例でご説明いたしております。)
〔財務諸表の全体構造〕
一般的な企業の場合(卸売業や小売業など)ですと、『貸借対照表』(一般に「B/S」とも表記されます。)および『損益計算書』(一般に「P/L」とも表記されます。)の、2つセットとなることが多いです。
製造業や建設業などのケースですと、これらの2つに加えて『製造原価報告書』(建設業の場合ですと『完成工事原価報告書』)の通称「C/R」がつくこととなります。
[『製造原価報告書』(C/R)の基本構造]
(単位:円)
科 目 |
金 額 |
|
Ⅰ材料費 期首材料棚卸高 当期材料仕入高 |
××××××
×××××× |
|
合 計 |
×××××× |
|
期末材料棚卸高 |
×××××× |
|
当期材料費 | ×××××× | |
Ⅱ労務費 賃金 法定福利費 福利厚生費 … |
×××××× ×××××× ××××××
×××××× |
|
当期労務費 |
×××××× |
|
Ⅲ経費 修繕費 水道光熱費 リース料 保険料 地代家賃 減価償却費 租税公課 消耗品費 … 雑費 |
×××××× ×××××× ×××××× ×××××× ×××××× ×××××× ×××××× ×××××× ××××××
×××××× |
|
当期経費 |
|
×××××× |
当期総製造費用
期首仕掛品棚卸高 |
|
×××××× ×××××× |
合 計 |
×××××× |
|
期末仕掛品棚卸高 |
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×××××× |
当期製品製造原価 |
|
×××××× |
ちなみに、この製造原価報告書を作成する企業の場合の損益計算書のフォームは次のような形となります。(売上総利益までを表示しています。)
[『損益計算書』(P/L)の基本構造(売上総利益までの表示)] (単位:円)
科 目 |
金 額 |
|
Ⅰ売上高 |
×××××× |
|
Ⅱ売上原価
期首製品品棚卸高 当期製品製造原価 |
××××××
×××××× |
×××××× |
合 計 |
×××××× |
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期末製品品棚卸高 |
×××××× |
|
売上総利益 |
×××××× |
〔参考ー建設業許可業者の様式ー〕
建設業の許可業者(また新規に許可申請を予定の方も含む)につきましては、所定の様式が定められております。
所定の様式以外の財務諸表では受付してもらえません。
そのうち損益計算書および完成工事原価報告の様式は第十六号という様式を用います。
ご参考に下にその様式の記載例についてPDFファイルにてに掲載しておきます。(出典は「平成27年4月改定版/建設業許可申請の手引き(監修:福岡県建築都市部指導課/発行:福岡県建設業共同組合)」より)
※注意すべきは「完成工事原価報告書」の記載におきまして(期首および期末の)「未成工事支出金」の記載箇所が設けられていないことです。
したがって、「未成工事支出金」の各原価要素をそれぞれ各科目に振り分けして押し込まなければならない形式となっている点でございます。
すなわち、「未成工事支出金」の各原価要素を分解して、これをそれぞれ「Ⅰ材料費」「Ⅱ労務費」「Ⅲ外注費」「Ⅳ経費」の4つの各原価要素から減算して記載する必要がございます。
★当方は当該頁の内容等についての責任は負いません。★